フーリエ亭は、築45年の平屋住宅を改修した、構造家のセカンドハウスである。
軒が深い平屋はその築年数を感じさせない外観を保っていたが、内部はいわゆる古典的な間取りの住宅であった。だが、使い古された部屋の天井裏を覗くとそこには立派な無垢の梁が隠れていた。
既存の隠れた美しい構造体を利用しながら空間を確保する為に、無垢梁にV型のテンションバーを付け引力と逆向きの力を発生させることで、既存の間柱の撤去が可能となり、ダイナミック空間が実現できた。
あえて既存の外観を残したフーリエ亭は、交友関係の広い住まい手が外観からは想像もつかない空間へさまざまなゲストを招き、新たな発想を生み出す交流の場所となっている。
Construction:くまさんホーム株式会社
Structure:株式会社現代構造
Photo:K’s Photo Works 野口兼史